第2回東京ごはん映画祭サポーター『慶應義塾大学牛島ゼミピープルデザイン研究室 Entertainment For Allプロジェクト』による、映画祭応援ブログvol.5!
10/8(土)から10/23(日)まで、第2回東京ごはん映画祭が開催されます!
私たちが研究している『ピープルデザイン』を視点に、おいしい映画をご紹介したいと思います。
vol.5は、慶應義塾大学牛島ゼミ3年 山本亜純が担当します。
おいしいものいっぱいの愛知県出身、
お味噌汁は赤じゃなきゃ語れない!!
『ピープルデザイン』的視点で紹介する映画も第5回目となりました!今回ご紹介するのはレシピブログのお料理ブロガーさんも一押しの『かもめ食堂』です。
フィンランドのヘルシンキを舞台に、
かもめ食堂という小さな食堂での人々の交流が描かれています。
小林聡美演じるサチエはフィンランドで1人食堂を営んでいました。
フィンランド人ならきっと日本の素朴な味をわかってくれる。
そう思ってはじめた食堂でしたが最初は軌道にのらず、
外からおばさん達にいかがわしいものを見るようにじーっと見られたり、
挨拶をしても返してもらえなかったり、
なかなか馴染むことができませんでした。
フィンランド語をサチエは話せるものの、
後にかもめ食堂にやってくるミドリ(片桐はいり)とマサコ(もたいまさこ)は、
彼らが何を言っているのかも理解できません。
異国の地で生活をする日本人3人。
しかし彼女たちは、
めげずに明るく、フィンランドという場所や人に向き合いながら毎日を過ごしていきます。
そこで、ふと思いました。
サチエもミドリもマサコも
周りと違うという“ハンディ”
を抱えているんだなぁ、と。
日本にいれば他の人と同じように生活していたはずの3人。
何も不自由な思いを抱かなかったはずの3人。
けれど、ひとたび外に出れば、
外見、言語、食文化…
さまざまな「違い」という壁にぶつかるのです。
しかし、
その違いをプラスにとるのかマイナスにとるのか。
それは私たちが研究している『ピープルデザイン』を提唱しているNextidevolutionのキャッチコピー
“違いは、個性。ハンディは、可能性。”
にもあるように、その人次第なのではないかと思います。
少し不自由に感じても
サチエやミドリやマサコは、
明るく楽しく前を向いて、
着る服や作る料理など周りにちょっぴり寄り添ったりもしながら、
自然と受け入れられて、
次第に、かもめ食堂にはたくさんの人が集まるようになりました。
たくさんの国があり、
いろんな人がいれば、
多くの違いが生まれるのは自然なこと。
その違いは
決して悲観するべきものではなくて、
自分のチャームポイントの1つにしてしまおう!!
くらいの気持ちで堂々としていることが大切なのかもしれません。
また、映画を見ていて心に残ったことばがありました。
それはいつもサチエたちを不機嫌そうに睨みつけるフィンランドの女性が、
実はとても大きな悲しみを抱えていたことに気がついたときにミドリが言った
「シャイだけど優しくていつものーんびりリラックスして、それが私のフィンランド人のイメージでした。
でもやっぱり、悲しい人は悲しいんですね。」
という台詞。
情報化社会の中で生きる私たちにとって、“その人自身”を見ることは意識しなければ、難しくなっていると思います。
何かに悩んでいる人や、困っている人に出会ったとき、
一般的なものさしで判断するのではなく、その人自身と向き合うことで、
「この人にはこれが必要なんだ!!」
「こういう考えをすれば解決するんじゃないかな。」
と、助けの手を差し伸べられるのではないかと思います。
周りへの配慮、気づき。
そういう気持ちを忘れず周りで違いをかかえて困っている人の気持ちを明るくすることができたらとても素敵なことですよね。
かもめ食堂では、
その女性にそっとおにぎりを差し出しました。
人の手によって握られたおにぎり。
なんだか優しさや愛情がぎゅっと詰まっている感じがして嬉しくなりますよね。
かもめ食堂には、
他にもいろんな料理が登場します。
ジューシーな焼き鮭、
さくっとしたカツ、
テリが命の生姜焼き…
私の1番は、画面からでもいい匂いがしてきそうな程、おいしそうだったシナモンロールです!!!
実際に映画の中でも、このいい匂いに誘われて、おばさま3人組がかもめ食堂にやって来ます。
人々を結びつけるのはやはり他人を思いやる気持ちですが、
そのきっかけを作ってくれたり、深めてくれたりするひとつに、
おいしいごはんがあるのかもしれませんね。
見終わった後に、
なぜかこころがあたたかくなる映画。
かもめ食堂はまさにそのフレーズがぴったりの映画です。
東京ごはん映画祭では本日13日、15日に公開されます。
ぜひぜひ会場に足を運んで幸せな102分をお過ごしください。
——
私たちのゼミでは、ハンディのある・なしに関わらず混ざり合える社会を目指すソーシャルプロジェクトNextidevolutionが提唱している”People Design”を研究しています。
”People Design”とコラボレーションしている東京ごはん映画祭では、様々な環境の方々が参加しやすい上映会を、ひとつずつ試みています。
◆「耳で観る上映会」
ごはん映画祭テーマ作品、『eatrip』は、視覚に障害をお持ちの方が映画を楽しめるように全上映回がご持参いただいたFMラジオで受信できる音声ガイダンス付きです。
◆「カラダで観る上映会」
10/10(月祝)はサウンド感を振動で伝えられる体感音響システムを体験することができます。
15:15~の『eatrip』上映会トークイベントには、牛島ゼミ代表山田もパネリストの一人として出演します。http://tokyogohan.com/filmfestival/guest
◆「ママのための上映会」
気兼ねなく小さなお子様とご一緒にご鑑賞いただけます。
(一般の方はあらかじめご了承下さい。)
◆eatrip (with English subtitles)
映画『eatrip』は、英語字幕付き上映会です。
東京ごはん映画祭×慶應義塾大学商学部牛島ゼミ・ピープルデザイン研究室
Entertainment For All プロジェクト