南米・ペルーごはん日記 vol.01

2011年10月6日 category:

第2回東京ごはん映画祭 特別上映作品ペルーの食映画『Cooking Up Dreams』ラテン系サポーター、ペルー現地にいるFood Lovers・仲宗根ゆうこさんのペルーごはん日記です。

日本の裏側・南米ペルー。
映画『Cooking Up Dreams』にも描かれていますが、食文化が多彩で豊かな国。
ラテンなノリで、食べることが大好きなペルーの人々の日常をちょこっとのぞいてみたいと思います。
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45歳にして無謀にもペルー留学を決行。それは80年前に祖父母が移民したペルーという国が知りたくて。 そして今、ペルーに来て1年半が経とうとしています。  
ペルーといえばマチュピチュ、マチュピチュといえばペルー。確かにマチュピチュには魅了されましたが、住んでみると、これまで見た事もない豊富な食材群に圧倒され、ペルー人の並々ならぬ『食』への情熱に心揺さぶられるものがありました。  

ペルーはコスタ(海岸地帯)、シエラ(山岳地帯)、セルバ(熱帯雨林地帯)の全く異なった三つの自然環境を持ち、それぞれの地域ならではの食材や料理が生まれています。また、近年ペルー料理は欧米諸国で注目を集め、世界的な名シェフ、スペインのフェラン・アドリア氏(エル・ブリ)も絶賛するほど。(映画にもフェラン氏が登場しています!)

一方、ペルー国内では『食』で国ごと元気になろう!とシェフ、ガストン・アクリオ氏をリーダーに南米最大級の食の祭典“Mistura(ミストゥーラ)”を仕掛けています。これはペルー料理界が本気で世界に挑む証。この勢いはただ事ではないと、ペルーに住みながらリアルに肌で感じています。(映画にも、Misturaが登場します!)

私は数十年勤めたテレビ番組制作会社での仕事や個人の旅を通して、30カ国を訪れ、地域の暮らしや食べ物に触れてきました。しかし、『この国ほど、自国料理を愛してやまない国民はいない!』と、思えてなりません。スーパーのレジ待ちの列でも、バスで隣り合わせた全くの赤の他人同士でも、ペルー料理を話題にたちまち親友同士かと見まがうほどの白熱ぶり。こんな国、ないですよね。  

現在、私は語学学校に通っていますが、残念ながら語学センスは乏しい模様。『学校で学ぶ』より『食』を通してこの国を知ることが自分らしいと思えるようになり、料理上手なセニョール(ミスター)、セニョーラ(ミセス)がいると聞いては、リマでも地方でも料理を教わりに行く事にしています。  このペルー日記で、私が今、ペルーに住んでいるからこそ届けられるペルーの『食』を取り巻く空気感と、私自身が『食』を通して感じたペルーという国、愛すべきペルー人を日本のみなさんにお伝えできればと思います。

 

Peruより。文・写真:仲宗根ゆうこ Yuko Nakasone

ペルーごはん日記vol.2へ、つづく。

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■映画『Cooking Up Dreams

ペルーの食文化を愛する人々と、その食の原点を探っていく。
「世界へ向けて、食で国(ペルー)を元気にしていく!」という希望あふれる姿が描かれている。また、ペルーは地震国で、2007年ピスコ地震後に一丸となったシェフたちの姿に、3.11東日本大震災後の私たち日本人も共感の念を抱き、元気をもたらしてくれるはず。
また、ペルーの食文化の奥深さと可能性も見逃せない。じゃがいも、トマト、唐辛子の起源といわれるペルー・アンデス一帯。世界の食のルーツがここにある。山、海、川、ジャングル、様々な気候風土を持ち、移民も多いペルーは食材も食文化も多種多様!おいしいペルー料理は、欧米でも大人気である。