第2回東京ごはん映画祭サポーター『慶應義塾大学牛島ゼミピープルデザイン研究室 Entertainment For Allプロジェクト』による、映画祭応援ブログvol.3！ 映画祭までの期間、私たちが研究している『ピープルデザイン』を視点に、おいしい映画をご紹介したいと思います。
Vol.3は、慶應義塾大学牛島ゼミ3年 小山沙織が担当します！
食事は和食派、たまごかけごはんと納豆が大好きです。
さて、『ピープルデザイン』視点で紹介する映画第3本目は、是枝裕和監督『歩いても 歩いても』です。（10/22に監督のトークイベントもあります！）
©2008「歩いても 歩いても」製作委員会
今回は『歩いても 歩いても』を通じてハンディについて考えてみたいと思います。
みなさんは“ハンディ”と言う言葉を聞くと何を思い浮かべるでしょうか？
ハンディと聞くと体が不自由である、衰えてきていると言った身体的なハンディを思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかしハンディには様々な形があるのではないかと言うことをこの映画を通じてお伝えしたいと思います。
「歩いても 歩いても」は日本の映画祭を始め、国際映画祭でも多くの賞を受賞した名作です。
既に観たことがある方も多いのではないでしょうか。
私も俳優さんたちの繊細で自然な演技や人物描写の緻密さ、映像の美しさに圧倒されました。
そんな名作「歩いても 歩いても」の登場人物は実はひとりひとり違ったハンディを抱えています。
たとえば、樹木希林さん演じる”横山とし子”と、つい先日亡くなられた原田芳雄さん演じる”横山恭平”夫婦。
©2008「歩いても 歩いても」製作委員会
2人は15年前に海で見知らぬ子どもを助けたために命を失った長男・純平のことを今でも忘れられずにいます。
純平が助けた子供を毎年わざわざ家に呼んだり、ことあるごとに家族の前で純平の話をしたり、映画の節々で2人の亡き息子への思いが見受けられます。
息子を亡くした、ということを背負って生きていく。
息子が生きていればできたことがたくさんあったのに、心のどこかでずっと純平の死という闇を抱えるのは、ハンディを抱えた状態と言えるのではないでしょうか。
他にも、映画の中には失業してしまったことを言い出せない純平の弟・良多、再婚したばかりで姑・とし子となじめない妻・ゆかり、血のつながりが無いのに実家に呼ばれたゆかりの連れ子・あつし…。たくさんの事情を抱えた人が登場します。
私は映画を観て、誰でも何かしらハンディを抱え、何らかの不利な事情を抱えて生きていると思いまました。
そんな映画の中で、様々なハンディを抱えた人たちが自然と集まり、混ざり合う瞬間がありました。
ごはんの時間です。
©2008「歩いても 歩いても」製作委員会
印象的なごはんは、「とうもろこしのかき揚げ」。
とし子が天ぷらを揚げれば、たちまち食卓には人が群がります。
それぞれ辛いこと、嫌なことはあっても、美味しいごはんを前にすれば自然とそこに集まってしまうのです。
『ピープルデザイン』の定義の中に「ハンディを解決する機能がある」という項目があります。
この映画で言えば、まさに、ごはんがハンディを解決してくれているように感じました。
既に映画を見たことがある方も、無い方も、ぜひこの機会に、劇場でこの映画をご覧頂き、『ピープルデザイン』について考えて頂けたらと思います！
私はあまりに好きすぎて、２回みました＾＾
とっても切なくて、最後必ず泣いてしまいます。
東京ごはん映画祭でも、ぜひ大きなスクリーンで見たいと思っています！おすすめです！
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私たちのゼミでは、ハンディのある・なしに関わらず混ざり合える社会を目指すソーシャルプロジェクトNextidevolutionが提唱している”People Design”を研究しています。
”People Design”とコラボレーションしている東京ごはん映画祭では、様々な環境の方々が参加しやすい上映会を、ひとつずつ試みています。
◆「耳で観る上映会」
ごはん映画祭テーマ作品、『eatrip』は、視覚に障害をお持ちの方が映画を楽しめるように全上映回がご持参いただいたFMラジオで受信できる音声ガイダンス付きです。
◆「カラダで観る上映会」
10/10（月祝）はサウンド感を振動で伝えられる体感音響システムを体験することができます。
15:15～の『eatrip』上映会トークイベントには、牛島ゼミ代表山田もパネリストの一人として出演します。http://tokyogohan.com/filmfestival/guest
◆「ママのための上映会」
気兼ねなく小さなお子様とご一緒にご鑑賞いただけます。
（一般の方はあらかじめご了承下さい。）
◆eatrip (with English subtitles)
映画『eatrip』は、英語字幕付き上映会です。
東京ごはん映画祭×慶應義塾大学商学部牛島ゼミ・ピープルデザイン研究室
Entertainment For All プロジェクト
