第2回東京ごはん映画祭2011・特別企画上映「みんなの上映会」サポーターの慶應大学商学部牛島利明ゼミ・ピープルデザイン研究室“Entertainment For All プロジェクト”です。
牛島ゼミでは、ハンディのある・なしに関わらず混ざり合える社会を目指すソーシャルプロジェクトNextidevolutionが提唱している“People Design”を研究しています。
そして、“People Design”が、第2回東京ごはん映画祭とコラボレーションする経緯で、サポーターとして活動してまいりました。
第2回東京ごはん映画祭では、すべての人に共通する『食』というテーマのもと、特別企画上映「みんなの上映会」にて、様々な環境の方々が参加しやすい上映会がいくつか開催されました。
◆「耳で観る上映会」
ごはん映画祭テーマ作品、『eatrip』は、視覚に障害をお持ちの方が映画を楽しめるように、全上映回が持参したFMラジオで受信できる音声ガイダンス付き上映会でした。
聞きたい人だけが音声ガイダンスを聞くことができるので、視覚にハンディのあるひともないひとも同じ空間で映画を楽しむことができます。
◆「カラダで観る上映会」
10/10(月祝)にはサウンド感を振動で伝えられる体感音響システムを体験できる上映会が行われました。
『eatrip』上映会のトークイベントには、
牛島ゼミ代表山田もパネリストの一人として出演しました。http://tokyogohan.com/filmfestival/guest
◆「ママのための上映会」
“People Design”の対象となるハンディは身体的なハンディのみではありません。
小さなこども連れのお母さんは周りの目が気になるため映画館には行きづらいという声をよく聞きます。ママもある意味では一時的なハンディキャッパーになり得るのです。
一般の方にあらかじめ「ママのための上映会」であることを伝え、多少こどもが騒いでしまうことを理解してもらうことで、気兼ねなく小さなこども連れのお母さんも映画館に足を運ぶことができました。
◆「『eatrip』 with English subtitles」
日本で暮らす外国人も時に言語的なハンディを背負うことがあります。
『eatrip』は全上映会がFMラジオで受信する音声ガイダンスだけでなく、英語字幕付きで行われました。
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少し待てばDVDやブルーレイとして映画を家でも観ることができる今、あえて映画館に行くと言う行為には、(もちろん早くその映画を観たいという理由もあると思いますが、)あまり意識はしていなくても大勢の人と一緒に映画を観ると言うソーシャルな魅力があるのではないでしょうか?
“Entertainment For All プロジェクト”ではハンディのあるなしに関わらず、映画館と言うソーシャルな空間で混ざり合いながら、エンターテイメントを楽しむことができる「みんなの上映会」の宣伝活動に取り組んできました。
プロジェクトを通じて感じたことが2つありました。
ひとつは実際に音声ガイダンスを必要とされている人たちにお話をお聞きしてみても感じた、まだまだ音声ガイダンスは日本には浸透していないと言うことです。
洋画に当たり前のように字幕や吹き替えが付くように、音声ガイダンスを必要とする声がもっと高まって、実行されていけば、映画館と言う場所でハンディのある・なしに関わらず一緒に映画を観ることができ、混ざり合った社会にもっと近づいていけるのではないかと思いました。
もうひとつは多くの学生が障害に対してあまりにも“無知”であることです。
私たち自身もプロジェクトに携わる前は障がいのある方に接する機会や障がいに対する知識がほとんどなかったため、特に学生に対して視覚障がい者のための音声ガイダンスの認知度を向上させることには力を入れました。
まずは少しでも“知ること”が混ざり合った社会実現の第一歩になるのではないかと私たちは考えています。
また映画祭公式HPでは、第2回東京ごはん映画祭×ピープルデザインブログにて、牛島ゼミ員が第2回東京ごはん映画祭で上映されたもう一度、スクリーンで見たい!おいしい映画17作品の内、7作品を“People Design”を視点に紹介させていただきました。
東京ごはん映画祭×慶應義塾大学商学部牛島ゼミ・ピープルデザイン研究室
Entertainment For All プロジェクト